農園のこだわり
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ユーアイ農園の果物

当農園では、桃、梨、リンゴを栽培しており、特に11月のふじは、案内状を送るとすぐに注文が殺到し、11月中でほとんど完売してしまうほどです。収穫前から、今年は足りるか足りないかと冷や冷やしながら作業しております。贈答シーズンに当たる桃についても非常に好評です。梨については、30年ほど前から、フルーツげんき会という出荷組合を作り、平塚の市場に出荷しております。

美味しさというのは、糖度だけではありません。酸味や、硬度、果汁にも左右されます。いくら甘くても、みずみずしくない果物は、口の中で果肉が残り、後味が悪くなりますし、酸味がなければ、濃厚さも感じません。色付きが悪ければ、食欲もそがれます。果肉が柔らかすぎても、美味しく感じません。当農園の果物は、どの果物も甘みや酸味などのバランスがとても良いと評判です。

お客様の声をいくつか紹介します。「毎年、いろんな産地の果物が送られてくるが油井さんの果物は、やはり別格だ」、「うちの子供はおたくのリンゴ以外食べないんですよ」、「いつも他の産地の果物送って礼の電話一つしてこない先生も、お宅の桃を送るとすぐ電話かかってくるのよね」。初めてのお客様からは「今まで食べたりんごで一番美味しい」等、毎年たくさんのうれしいお言葉いただいております。

 

こだわり果物こだわり果物

甘くて、とってもジューシーと評判の当農園の看板品種ふじの写真

 

ユーアイ農園の果物へのこだわり

果物の味は、毎年違います。ここ最近は、異常気象が当たり前になり、花の開花が早くなったり、雨が降らなかったり、異常な高温が続いたりと、生産者としては毎年難しい課題に直面します。お客さんからは「去年の桃がすごく甘くて美味しかった」、「蜜がたっぷり入って美味しかった」など毎年同様の品物を期待されてしまいますが、露地栽培である以上、期待通りにはなかなかいきません。ただ、なんでも天候のせいにはしたくないため、いつもより余計に手間はかかっても、自分達が納得した仕事をし、できるだけ良い品物を提供したいと考えております。ここでは、当農園の取り組みを紹介します。

 

  • りんご
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ふじの収穫は熟度を考慮し、完熟したふじのみ収穫

当農園では、ふじの収穫は蜜が入り始める11月15日頃から始まります。その後の収穫期間を考えると、それ以上遅くはできません。色付きや熟度を考慮しながら、完熟したふじから順番に収穫し、最終的に収穫が終わるまで1ヵ月ほどかかります。

最近は、優良着色系のふじが多くなり、色付きだけは非常に良いりんごが増えてきました。真っ赤で、表面がつるつるの綺麗なりんごは、一見美味しそうに見えますが、実際は甘くない場合も多いです。本来は、熟度が増してくると、つるつるだった肌が、ボコボコになってきます。熟度が増すと、糖度も上がり、蜜入りも良くなります。多くのお客さんに満足していただけるりんごを提供するために、当農園では熟度を見極め、完熟したふじのみを収穫しております。

コメント

果物は、産地ごとにブランド化されますが、りんごって、桃や梨と比べ、生産者毎の味の違いが非常に大きいです。隣の園地でも、生産者が違えば、品質は全く異なります。食材が同じでも、作り手によって味が変わる料理と同じかもしれません。風土の影響は当然あるものの、剪定、人工授粉の有無、摘果時の選別、肥料の質と量、収穫時の見極め等、一つ一つの作業の積み重ねが最終的に味という結果につながる気がします。

日本一のりんごの産地の青森の場合は、福島より花の開花が10日以上遅いにもかかわらず、11月上旬がふじの最盛期で、中旬にはもう終盤です。雪が降るため、早くに収穫を終わらせないといけないからです。福島の場合、雪が本格的に降り始めるのは12月下旬になってからのため、ふじを栽培するうえですごくよい環境にあるんです。鳥の被害や割れ、凍害など、収穫が遅れればロスも増えますが、できるだけ完熟したふじを届けたいと思っております。

 

一個一個糖度計で測定、一定水準の糖度の桃のみ発送

桃の贈答品の8割を占めるあかつきについては、クボタのフルーツセレクタで一個一個測定、家庭用を含めた全ての贈答品について一定水準以上の糖度の桃のみを詰めて発送しております。測定箇所によって糖度にばらつきが生じたり、年によって平均糖度が異なることから、具体的な数値での糖度の保証はしておりません。

コメント

桃は、一個辺りの葉っぱの数と糖度の関係が明確で、葉っぱの数が多いほど糖度は高くなります。高糖度の桃を作るためには、着果量を制限することが重要になります。昨今の異常気象は、変形や生理落下、病虫害の発生に大きく影響を与えております。着果量を減らせば、当然リスクは増えてしまいます。収穫量を増やすことと甘い桃を作ることの両立はなかなか難しかったのですが、糖度計が一つの解決策になると思っております。

ただ、測定する箇所によって1度以上糖度が異なったり、測定による時間と手間が膨大など課題も多いです。ただ、万一の故障や測定時間を短縮する意味でも、もう一台導入しようとは考えております。もはや、糖度を測らないで発送するのは怖いですしね。一台が110万以上するほど高額なため、これを導入できる農家は少なく、これは強みになりますね。

 

家族経営

果樹の栽培って、機械による省力化が難しく、一個一個手作業になるため、人出が必要です。春先の摘果や秋の葉摘み作業には、どの園地も、シルバーなどの外部スタッフで賑やかです。そんな中、3ha以上の園地があるにもかかわらず、当農園では外部スタッフを入れておりません。結局は手直しが必要だったりと、費用対効果が悪いですし、仕事に対してどうしても無責任になってしまう点がでてくるからです。

りんごの収穫が終わったら、休みなく、剪定作業に入るなど、余裕がある時期は先行して作業を行ったり、常に効率化を意識し、作業内容を改善しております。その結果、少人数で回しながらも、作業に遅れが生じるどころか、より手を掛けられるようになりました。手をかけた分、目に見えて果物の出来がよくなるため、年々作業は丁寧になっております。作業が遅れてしまうから、誰かに手伝ってもらうのではなく、いついつまでにこの仕事を終わらせるにはどうすればよいかと、逆算して考えないといけない環境のため、頭と体を両方使って仕事をこなしております。

コメント

うちでは人件費分を自分達に投資できるため、自分達が作業しやすいよう、作業の衣類や道具にもこだわれますし、荷作りも冷暖房完備した倉庫で行え、ゆっくり休める休憩室もあります。まだ本格的な稼働前ですが、加工室もあります。自宅でもゆっくり休める環境を整えているなど、毎年環境作りには投資を惜しみません。売上の増加が家族の生活水準の向上を意味するため、目標を共有しやすいことも良いのかもしません。

 

サービス

当農園では、一般的な店舗と同水準のサービスは提供できません。外で作業しているため、日中電話にでたり、メールで返信したりができないためです。メールでご注文を頂いた場合以外、受注しましたとの連絡も入れておりません。発送前や発送後の連絡もしておりません。お客さん自ら繋がるまで電話を掛けたり、受注の有無、発送日の確認をしていただくことになります。

 

できることには限度があるため、お客さんへの一番良いサービスは、美味しい果物を届けること、誰でも購入できる価格で提供し続けることだと考え、きめ細かいサービスを充実させるよりは、園地での作業を優先させ、少しでも品質を上げる努力をしております。

 

当農園では、自分達で栽培した果物だけお届けしております。当然数に限りがありますので、以上の点をご理解したお客さんとのお取引だけに制限させていただいております。

コメント

収穫期には、毎年3500箱以上の果物をお客さんに直接販売し、同じ数を市場に出荷しております。収穫するだけでも大変なのに、その後荷作り、伝票準備、同時にお客さんの対応もしているため、正直よくやってると自分でも思うくらいの量の仕事をこなしております。毎年何かしらの問題が生じ、全然思い通りにいきませんが、自分達で作った果物を、直接お客さんや市場関係者に届けることって、すごく責任感を感じますし、果物を通じ、人と人との繋がりを感じます。 楽に稼げないからこそ、やりがいがあり、面白いのかなとは思います。